あくまで有志のアマチュアとして参戦するクラブチームでも、エンデューロライダーにとっては夢の6日間。さればISDEのワールドトロフィーチームとは、一生をかけて勝ち取りたい夢のシート。2018年、チリのISDEに日本のワールドトロフィーとして選手つれた後藤敏文は、他の3名に比べてキャリアに劣ることを自覚しながらも、11月までの数ヶ月間を全力で過ごすことに決めている。

今、不足しているものは何か

画像: 今、不足しているものは何か

後藤敏文
1986年7月31日生まれ、愛知県出身。

2017年、エンデューロIA昇格。日高2デイズエンデューロには、AX-1を現代の技術で蘇らせたマシンで参戦するなど話題を提供する本田技術研究所社員。E1クラスを担当、CRF250Rで参戦予定。

「わかってはいたんですけど、僕はIAの中では速くもないし技術もない。
ゴールデンウィークの合宿で見えてきたのは、頑張るしかないということ、それに自分のメンタル、これぐらいの疲れ方とこういう時にミスするという傾向ですね。普段の練習しているところだと、ミスっても、ただミスしたなーと思うだけでおわっていました。ここだとミスったらもうリタイアにつながる所が多いので、ドキドキしながら練習できた。一発のミスがでかい。誤魔化せないというのが分かってきました。転んだらやばいんです。チリでは、こけたらサンドなので、埃が入っちゃいますしね」

後藤は、自分の中で足りないモノを見つめ続けている。5月のGWにおこなわれた合宿では、初日に崖から落ちてしまい、いかにルートが大事かを思い知らされた。

「あと、僕が今から出来る一番の準備は体力だと思います。急には上手くなれないですからね。今やっているのは筋トレ。週2でチャリこいで、週2で筋トレしているだけなんですけど、土日にバイク乗っているからそれぐらいしかできないですね。平日は時間も足りないし、体力的にもそれ以上やっちゃうとオーバーワーク。もっとストレッチとか体幹トレーニングとかならもっとやってもいいかもしれない。

どれだけ時間作れるかが大事ですね。5月に会社の近くに引っ越して、ちょっとは時間が取れるかなって思っています。

今は最大筋力を上げるようなトレーニングをやっていて、途中からは回数、筋持久力をやろうかなと思っています。筋肥大を促すトレーニングですね、懸垂とスクワットと。実際そんなバカでかい筋力要るかといったらそうでもないんですが、チビだから人一倍パワーないときついな、とも思ってて。

東京体力研究所に体力測定に行ったら、僕の体力は色んなジャンルの人と比較して最大筋肉はアスリートの90%ぐらいで、筋持久力は60%ぐらいだそうです。僕はタレやすいし、オンタイムの5分なら得意だからIAになれたんです。早めに筋持久力に切り替えた方がいいかも」

勝野と出会い、後藤はオフロードに目覚めた

2010年代の頭くらいだろうか。

後藤は本田技研の朝霞研究所で勝野善太郎と出会い、オフロードへ入れ込む生活をはじめた。オフロード歴は9年。ISDEなど知るよしもない22歳だったという。

「勝野さんが会社に中途で入ってきて知り合って、一緒に遊んでもらっていて、段々エンデューロレースに出て。当時そんなにレースに興味はなかったですね。その時は半ば無理やり出させられましたね。今思えばそこでレースを始められてよかった」

当時ホンダは、ひっきりなしに新人社員をレースへ連れてきていて、ホンダは元気だな!とエンデューロファン達は思っていた。その頃の若い衆が、こうしてISDEにワールドトロフィーで出ることが、実に感慨深い。

目標は、怒られたとしても完走

画像: 目標は、怒られたとしても完走

「僕はワールドトロフィーで言うのは申し訳ないですが、本当に目的は完走です。リザルトを残すことに集中したい。全部ルートだと思って走ります。テストで本気で走ったら、その後もうだめになっちゃうかもしれないので。ダメにならない走り方を覚えないといけない。6日間出し切れるように。

今はまわりにもIAなの? っていじられますよ。だから胸張って言えてないと思っています。

早すぎるというのは自分でもすごく思ってます。全然自信なかったし。でも出れることを知っちゃったからには出なかったら出なかったで、あの時出ていれば…とずっと思うだろうと」

後藤の挑戦は、まだはじまったばかりだ。

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