「大変だ! 誰かがクラッシュして倒れている! どうしたらいいの?」

レースや練習などの走行中、こんな場面に出くわしてしまう事があるかもしれません。素人でも怪我人を発見した時にできることがあります。しっかり覚えておいてくださいね。

画像: すべてのオフロードライダーに覚えておいて欲しい鉄則、怪我人を発見したら…?

1.まずは絶対、安全確認

怪我人を介抱しているところに、他のバイクに突っ込まれては大変。

まずは二次災害防止のため、後続のバイクを止めましょう。自分の身や、後続のバイクの安全を確保します。近くに他の人がいたら、止め役を頼んでから介抱にあたりましょう。大きなレースの最中であれば、マーシャルを呼ぶか、練習中であれば後続のライダーを止めて手伝ってもらいます。

後続を止めるために他の人がいないようなら、自分のバイクや要救護人のバイクを現場の手前、後続の目につくような所に倒しておいて減速をさせるようコースを塞いでしまうのも有効な手段です。

2.触る前に、かならず意識の確認

画像: 2.触る前に、かならず意識の確認

大切なのは慌てて叩いたり揺すったりしない事。手を触れる前に意識の確認をしましょう。耳元で出来るだけ大きな声で呼びかけます。コース上では他車のエンジン音が激しいため、小さな声では聞こえません。

「もしもーし、聞こえますかー?」

意識があっても、言葉があやふやで、何を言っているのかわからない場合は、意識のない場合と同等に扱います。

また、意識があって自分で立ち上がれたり、会話が成立するなど、健常状態のように見えても油断はできません。同じ質問を繰り返したりする時は、脳震盪を起こして記憶が混濁しています。この場合は意識アリと同じ扱いをしますが、脳震盪は後の症状とのタイムラグがあるケースもあるので、状態の注視はやはり必要です。

3-1.意識がない場合はすぐに救急車を!

意識がない場合は、絶対に触らない事。やってはいけないのは、パニックになってヘルメットやネックブレースを脱がす事。意識がないということは、頸椎や内臓に深刻なダメージがあっても、それが確認できません。安全を保ち、救急隊の到着を待つのがベストです。

近くにいる他のライダーやスタッフに救急車を要請しましょう。

3-2.意識があり、怪我の場所が明確な場合

基本的には怪我人がどういう状態であっても、救護所に運ぶまでは、ヘルメット・ネックブレースの類には触れず、脱がさないのが鉄則。本人が脱ぎたがっても、出来るだけ我慢させるのが良いです。

明確に下半身などに怪我を負っている場合で、自分でヘルメットを脱げる状態であれば自分で脱いでもらうのが良いでしょう。もし、ヘルメットを脱ぎたい、けど自分では脱げない場合は、ヘルメットのエマージェンシータブを抜いて脱がしてあげましょう。

4.ヘルメットは首を支えて脱がす

画像1: 4.ヘルメットは首を支えて脱がす

ヘルメットを脱がす場合は、まず膝で頭を挟み、上下左右に動かないように固定します。

画像2: 4.ヘルメットは首を支えて脱がす

ヘルメットのエマージェンシータブを抜きます。ヘルメットによってタブの形状は異なります。写真はSHOEIのVFX-WRを使用。

画像3: 4.ヘルメットは首を支えて脱がす

頸椎を痛めていない保証はないので、できればネックブレースは外さない方がいいですね。チークパッドとゴーグルだけを外し、ヘルメットは枕がわりに残しておくのも楽ですよ。

画像4: 4.ヘルメットは首を支えて脱がす

もしもヘルメットも脱がす場合は、ネックブレースとの段差で首がガクンと落ち、ギリギリ持ちこたえていた骨にトドメを刺してしまう可能性があるので注意。できれば第三者に補佐してもらい、首元に手を突っ込んでもらい、支えながら慎重に脱がしましょう。メガネをかけていない場合、ゴーグルはそのままでOK。

画像5: 4.ヘルメットは首を支えて脱がす

5.担架に載せる時は専門家に指示を仰ぐ

救急車の到着場所や、救護室まで運ぶ必要がある場合、担架に乗せて移動します。この場合は、医師や救護の専門家の指示を仰ぎ、3名以上で乗せるようにしましょう。

まとめ

救護はまず、安全を確保した上で行いましょう。

次に意識の確認。

触らない、動かさないが基本。

状況を見て、プロテクターを緩めても良いが、極力そのままの状態で救護所へ。

その後はドクターや救急隊の判断に任せる。

今回アドバイスをくださったのは

画像: 今回アドバイスをくださったのは

全日本モトクロス選手権関東大会で、副救護長を務めるデッシー(本名:伊藤卓也)さん。
レース救護歴:約6年
「僕は医師ではありませんから、下手に触らないのを基本にしています。怪我をした人の状態は、素人では判断できませんから、救護する事でさらなるダメージを与えないようにしなくてはいけません。全日本モトクロスの救護の場合は、コースのど真ん中でそこまでゆっくり確認している時間がないので、全部着けっぱなしで、とにかく担架に乗せてしまいます。救護は5人1チームで、コースの各部署に配置しています。1人で出来ることには限界がありますし、救護も命がけですから、救護する側の安全確保もしっかり行わなくてはいけないと思います。

怪我の応急処置の鉄則でRICE法というものがあります。

●Rest レスト=安静、ケガしたところを動かさないこと
●Ice アイス=冷却、氷で冷やすこと
●Compression コンプレッション=圧迫、包帯などで圧迫すること
●Elevation エレベーション=挙上、ケガしたところを心臓より高い位置に保つこと

この基本は、レースに限らず、日常でも大切な事です。しっかり覚えておきましょう」

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