渋滞をあえて作る、ハードEDの戦い方

難所のないスピード勝負のクロスカントリーなどでは渋滞の存在そのものが悪。渋滞するようなコースを作ると、主催者にクレームがどっと押し寄せる。だが、ハードエンデューロでは渋滞は当然のもの。むしろ、主催側は、渋滞をうまく使うことで、展開を縦に長くし、上位のライダーすらどうにも前に進めないというような最悪の状況を少なくする傾向がある。

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だから渋滞するセクションを、いかに速く切り抜けられるかで完走の可能性が変わってくる。年々、その距離を増しているカールズダイナーは、当初は目算500mくらいを行ったきり戻ってこないレイアウトだったが、田中が参戦しているうちに往復させるようになり、さらに今では往復させたのちに、下の段も走らせるようになった。たぶん、2km近くの巨大なガレ地帯を走らされることになる。

石戸谷の1年目、出遅れたこともあってすでに渋滞が至るところにできてしまっていた。

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観客のヘルプもものすごく多い。

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それでも、どうにも前進できないシーンが多く石戸谷を襲った。落ち着いたレース運びをする石戸谷は、一息つきながら持っていった携帯で「いま渋滞中!」と僕らにメッセージを送ってきたほどだ。

このカットは、このあと右側にそれていくルートを発見し、ステアを制して30台くらいをごぼう抜きしたところ。石戸谷は全レースを通して60台はパスしたことになる。

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カールズダイナーの岩は、おおよそ1mくらいのものがゴロゴロしている。だから、常にラインを見なくては、大幅に時間をロスしてしまうと言われていた。2012年あたりは、トップライダーにはメカニックがマインダーのようについて、ラインを指示する姿が見られた。田中も、メカニックと共にカールズダイナーを切り抜けた。矢野をカールズダイナーで待っていたのも、田中がラインを指示するためだった。でも、最近ではカールズダイナーまで到達するライダーが増えていて、ラインが定まってきている。走破スピードも格段に上がっている。

カールズダイナーは、無酸素運動の連続だ。常に重いフロントを持ち上げながら、ラインをトレースしていく。腕も足もパンパンになる。それでも、そこを突破しないと先は見えてこない。石戸谷が、ここを走る時、どう思うのか。2時間くらいでカールズダイナーまで来れれば、カールズダイナーで1時間使える。残り1時間では、かなり厳しい戦いになるだろう。

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